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「プロパティマネジメントとは」
 2000年あたりから、「プロパティマネジメント」という言葉が持て囃されるようになりました。いままでの、従来型の「賃貸管理」と何が違うのでしょうか?

 日本における「賃貸業」は、基本的に「仲介業」から発展していきました。お部屋を探す人に、気にいっていただける物件を手当てして、仲介手数料をいただく、という仕事です。いまでも、「賃貸管理」業務をしていても収益の主たるものは「仲介手数料」である会社は多いと思います。「仲介」というのは、あくまで部屋を借りる人からいただく収入です。「管理会社」がいただく所謂「管理料」は、「オーナー」から取得するものです。オーナーからいただいているのですから、オーナーの利益に貢献しなければなりません。しかし、「仲介」の立場と「管理」の立場では、ちょっと立場が微妙に違う点があります。

 たとえば、「解約」ですが、仲介の立場でいうと、入居者の「解約」は潜在的に歓迎すべきことかもしれません。その分、また仲介手数料が稼げますからね。そんなことは思っていないよ、と言われるかもしれませんが、少なくとも「解約」を抑止しようという意識はさして持っていないのが実態でしょう。「解約の抑止」すなわち、英語では「テナント・リテンション(TenantRetention)」、日本語でいうと「入居者の保持」と言いますが、これはプロパティマネジメントが確立しているアメリカにおいては、大変重要視されている事柄なのです。

 オーナーの立場からみればそれも当然のことです。解約が多ければ多いほど、その分空室期間が発生するわけですから、また室内の原状回復のオーナー負担(最近では「東京ルール」などもできて、ますますオーナー負担の度合いが高まってきていますね)もあり、損失が多くなります。解約を少なくすることが、オーナーの利益増に直結するのです。ですからアメリカのプロパティマネージャーは、どうしたら入居者にもっと「長く住んでもらえるか」をいつも考えています。このあたりが、「仲介」から発展してきた日本の「賃貸管理」とアメリカの「プロパティマネジメント」の違いですね。アメリカではそもそも、少なくとも居住系においては「仲介手数料」を入居者からもらう習慣がないですからね。

 日本の「賃貸管理会社」に勤めている人は、自分の会社の業務内容をどう理解しているのでしょうか?まず、入居者を募集して、契約して(ここまでは単なる仲介会社と一緒ですね。)お家賃を集めて、オーナーに送って、クレーム対処をして、物件の掃除・点検をして、まあ、そんなところかなあ、それが、「管理会社」というものではないのか。と、そう思っている方も多いことでしょう。それが「管理」ではないのか、と。

 これでは、単に言われたことをやっているだけど言われてしまうかもしれません。しかし、「プロパティマネジメント」は違います。オーナーからマネジメントのフィーをいただいている以上、「オーナーの収益を最大限に高める業務」をしなくてはなりません。少しでも高い家賃で決めるように、また、空室や解約を減らすために、どうすればいいか、また日常の運営コストを下げるための努力等、それらを年次でまた数年の単位で把握して管理していかなければなりません。仲介の立場でいうと、ちょっと築年数が経ってきて決めにくくなったら、オーナーに「家賃を下げましょう」と言いたくなるかもしれません。単に早く決めるだけなら、それが一番即効性があるでしょう。しかし、それではオーナーの手取り収入を下げるだけです。早く決められて、とにかく仲介手数料は稼げたのでそれでいいのでしょうか?それでは、オーナーの収益より自分の売り上げを優先していることにならないでしょうか?「物件が古くなってきているのだから仕方がないでしょう」と思った方は、単なる「仲介」の方です。「マネジメント」の発想の方は、「物件の力」そのものにおいて、いかに他の物件との競争力において見劣りしないものにするか、または、募集の戦略として新たなことはできないか、または、運営上で何か差別化することはできないか、等々を考えます。「空室対策」にはいろいろな方法があるはずです。

 「物件の力」をつけるためには、再投資をすべきと考えるかもしれません。再投資額に見合う家賃を回収できれば、最終的な手取り賃料が下がることがないわけです。そのためには、ローンを組むことも必要かもしれません。ファイナンスの知識も必要です。その再投資が、収益とローンの返済との関係において、どういう意味を持っているか、すなわち「投資分析」もできなければなりません。集客力を高めるための手段は、たとえばたった10万円のエアコンを1台設置するだけのことかもしれません。それとも3,000万円の「資本的支出」、または3億円をかけて新築物件への建て替えかもしれません。再投資することによって、オーナーの収益が現状より上がるというストーリーが描けることが大事です。投資額の大小はありますが、額が違うだけで、本質的には、それぞれが「プロパティマネジメント」という業務であるのです。

 この「マネジメント」ということばですが、単純に日本語訳をすると、「管理」と訳してしまいそうですが、これは正確ではありません。この「マネジメント(Management)」には、「経営」という意味が入っています。「経営コンサルタント」を英語でいうと、「Management Consultant」になります。ただ、「管理」するのではなく、「経営的」に管理するという意味なのです。(IREM JAPANでは、当初、CPMを「不動産管理士」と翻訳していましたが、上記のことから、「不動産経営管理士」と呼ぶように変えたくらいです。)

 「プロパティマネジメント」は一言でいうと、「収益物件の経営代行」ということができると思います。預かった物件の「経営」を任されている、これが「プロパティマネジメント」と言えるでしょう。経営ですから、利益を維持もしくは成長させなくてはなりません。成約家賃の下落や空室期間の長期化という事態が発生したとき、オーナーの利益が減少します。そういうとき、経営を任されているのですから、何をしなくてはいけないのでしょうか?他の分野で通常行われているように「情報を集め、原因を探り、問題点を発見し、対策を練る」ことをしなくてはいけませんね。対策案の提案、「改善提案」ができることが「賃貸管理」と「プロパティマネジメント」の違いではないかと思うのです。仲介をし、家賃を集め、クレーム対処をして、巡回・掃除をするだけでは、「経営」的な管理とは言えないでしょう。実際、現場ではオーナーから、さまざまな対策提案を求められていると思います。どうしたらまた部屋が決まるのか?家賃を下げないでも決まる方法はないのか?将来、自分の持つこの物件は陳腐化していって、空室がどんどん増えていってしまうのではないか?オーナーの不安はつきません。それらのニーズに応え、オーナーの「利益」に責任を持つのが「プロパティマネジメント」だと言えます。